廃車のエンジン

廃車のエンジンはどう処分されるのか

廃車として工場に運び込まれた自動車は、与えられた役割を終えてゆっくりと解体され、そしてゴミとして捨てられるというのが一般的なイメージです。
実際のところ、かつての社会ではそうした処分の方法も多く、毎日持ち込まれる廃車はガソリンなどの危険物を抜き取った上でスクラップとして処分されていました。
しかし、それはあくまでもかつての社会の話です。
現在の社会は持続可能なエコロジー社会への変化を求めていますから、廃車として捨てられる自動車であってもその多くが有効活用されるようになっているのです。

では廃車の中でも特に大きな部品であるエンジンはどのように処分されているのかというと、これは大きく分けて二つのパターンに分けられます。
まず一つ目、買い替えなどによって廃車にされた、まだ動くことが出来るエンジンのパターンです。
この場合は自動車からエンジンが取り外された後、整備工場へ持ち込まれることになります。
廃車のエンジンといってもそれはまだ動くことが出来るのですから、再利用をするに越したことはありません。
持ち込まれた整備工場ではオーバーホール、つまり分解整備が行われ、摩耗しているパーツや劣化しているパーツを交換修理したうえで、修理用エンジンとして再出荷されるのです。
こういった部品は中古部品であるため信用性が低いとされることも多いのですが、しっかりと整備されているのであれば新品に近い働きをしてくれます。
また国内の修理には使えないというような場合であっても、発展途上国を中心とした海外で再利用されるということも多くなっていますから、一度役目を終えても再び別の地で走ることが出来るようになったのです。
次にもう動くことが出来ない場合ですが、これは使用可能な範囲の部品を取り外されたうえで、残りが鉄材として処分されます。
プレス機で固めた後に溶かされるなどの工程を踏み、次は住宅やインフラ設備などの材料になるのです。
持ち主とともに道路の上を走ってきたエンジンは、今度は人が住む場所を作るために再利用されます。
こうなるともう車として使用されることはありませんが、しかし社会を維持していくための礎になるということの意味は非常に大きいでしょう。

このように、現在では廃棄された廃車であってもさまざまな形で再利用される形になっています。
かつてまでは地球にある資源を好きなように使ってきた人類ですが、これからの社会ではそうした好き勝手なふるまいは難しくなります。
レアメタルなどは既にリサイクル無くしては今後の社会維持が不可能と言われる状態になっていますから、今後も廃車の再利用はより広く行われていくことでしょう。”